お母さんは名通訳

ある日のこと、2歳くらいの子どもさんがお母さんと積み木遊びをしていました。子どもさんが細い円柱を3つほど積んだ時、「ガッシャン」と崩れてしまいました。子どもさんは、一番上に積んであった積み木を拾い「おっきい~」と言いました。私が、『大きくはないけど・・・』と思いつつ見ていると、お母さんが「家で、小さいブロックの上に大きいブロックを積むと、バランスが悪くて倒れるよ。と教えているんです。だから、小さくても『おっきい~』って言うんです。」と教えてくれました。なるほど。「おっきい~」は、「これを積んだから倒れた」という意味だったんですね。
大人は、聞き覚えのある言葉を子どもが話すと、その意味を理解して話していると思いがちですが、それとは別に、子どもには子どもなりのストーリーがあり、覚えたての言葉を使って一生懸命周囲に伝えようとしてくれます。
この日に出会ったお母さんは、子どもさんの行動を見ながら話をよく聞いていているんだな、と感心しました。
その後もお母さんは、根気よく子どもさんの話に耳を傾け、丁寧に返事を返していました。そんなお母さんだからこそできる「名通訳」なんですね。

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